ハミルトン・ノーウッド分類:AGA・薄毛の7段階
ハミルトン・ノーウッド分類は、男性型脱毛症(AGA)の進行度を7段階で示す基準です。I型では生え際の変化がほとんどなく、II型ではこめかみが軽く後退します。III型は薄毛が明確になる段階です。IV型からVI型では生え際と頭頂部の薄毛が広がってつながり、VII型では側頭部と後頭部に毛髪が残るだけになります。必要な移植株数(グラフト数)は進行とともに増えますが、最終的な治療範囲はドナー部の毛量によって決まります。

医師による監修
AACI認定外科医、ISHRS会員、Robotic DHI開発者
更新日:2026年7月
ハミルトン・ノーウッド分類の早見表
| 進行度 | 主な特徴 | 関連する検索語 | 移植株数の目安 | 薬で改善できる可能性 |
|---|---|---|---|---|
| I型 | 生え際の後退がない、またはごくわずか | ノーウッド1、AGA初期 | 0株 | 治療対象外の場合が多い |
| II型 | こめかみと生え際が軽く後退 | ノーウッド2、M字はげ初期 | 0-800株 | 早期なら進行抑制を期待 |
| III型 | M字が深くなり、薄毛が明確になる | III Vertex型、ノーウッド3 | 1000-1800株 | 一部で改善の可能性 |
| IV型 | 生え際と頭頂部が薄く、毛髪の橋が残る | ノーウッド4 | 2000-3000株 | 限定的 |
| V型 | 生え際と頭頂部の間の毛髪が細くなる | ノーウッド5 | 3000-3800株 | 難しい |
| VI型 | 前頭部と頭頂部の薄毛が一体化 | ノーウッド6 | 3800-4800株 | 難しい |
| VII型 | 側頭部と後頭部に毛髪が残る | ノーウッド7 | ドナー部による* | 難しい |
*株数は治療計画の目安です。正確な数は、ドナー密度、移植面積、毛径を測定して決定します。VII型ではドナー部の余力が移植可能範囲を直接左右します。
ハミルトン・ノーウッド分類とは?
ハミルトン・ノーウッド分類は、AGA(男性型脱毛症)の進行パターンをI型からVII型までに分ける国際的な指標です。皮膚科医や植毛外科医が薄毛の範囲を共有し、治療計画を考えるために用います。
主に生え際、こめかみ、頭頂部(つむじ)の変化を確認します。進行すると生え際はM字、U字、V字状に後退し、頭頂部のO字型の薄毛が広がります。
分類の対象はAGAですが、分類だけですべての薄毛・抜け毛の原因を診断できるわけではありません。
I型は目立つ後退がほとんどない状態、VII型は側頭部と後頭部に毛髪が残る最も進行した状態です。
誰がハミルトン・ノーウッド分類を作った?
ジェームズ・ハミルトンが1951年に最初の分類を作り、O’Tar Norwoodが1975年に改良しました。この2名の名前からハミルトン・ノーウッド分類と呼ばれます。
ノーウッドは分類を整理し、頭頂部に独立した薄毛部分を残さず、生え際から後方へ連続して進行するA型(Class A)も示しました。
ハミルトン・ノーウッド分類の7段階
I型からVII型へ進むほど薄毛の範囲が広がります。III型は生え際の後退が明確になる重要な段階です。
診察、術式、術後経過については自毛植毛ガイドもご覧ください。

I型・II型:AGA初期の生え際
I型は生え際の後退がない、またはごくわずかな状態です。「ノーウッド0」は若い頃の直線的な生え際を表す非公式な呼び方で、正式な段階ではありません。

II型ではこめかみが軽く後退し、M字の変化が現れ始めます。日本のAGA診療では初期段階として扱われることがあります。

II型は目立ちますか?
変化は小さく、近くで見て初めて分かることもあります。
II型は改善できますか?
早期の治療で進行を抑え、一部の毛を太くできる可能性があります。
III型・III Vertex型:M字と頭頂部の薄毛
III型ではこめかみの切れ込みが深くなり、薄毛が明確になります。III Vertex型では、これに頭頂部のO字型の薄毛が加わります。

残っている毛髪を守る重要な時期です。適応があれば、医師の診察後にフィナステリド、ミノキシジル、または併用を検討します。
IV型:生え際と頭頂部の薄毛
IV型では生え際と頭頂部の両方が薄くなりますが、その間に毛髪の橋が残っています。パターンが明確で、ドナー部が十分に残っていることが多いため、植毛計画を立てやすい段階です。

V型・VI型・VII型:広範囲のAGA
V型からVII型では、生え際と頭頂部の間の毛髪が徐々に失われます。VII型では側頭部と後頭部に毛髪が残るだけです。


日本で使われる高島分類とII Vertex型、A型とは?
ハミルトン・ノーウッド分類は欧米のAGAパターンを基にしています。日本では、頭頂部から進むO字型を捉えるため、II Vertex型を加えた高島分類も参照されます。
II Vertex型は、生え際の変化が軽くても頭頂部の薄毛が始まっている状態です。一方、A型(Class A)は生え際から後方へ連続して薄毛が進み、頭頂部に独立したO字型の領域を作らないパターンです。
日本人ではM字型だけでなく、頭頂部から始まるO字型も重要です。正面と頭頂部の両方を確認してください。
ハミルトン・ノーウッド分類の精度
分類は便利ですが、評価には主観が入ります。同じ頭皮を見ても、医師同士で分類が一致した割合は研究で63-68%でした。
あるクリニックのIV型が、別のクリニックではV型と評価される可能性があります。また、分類はパターンを示すだけで、毛髪密度、毛径、ドナー部の余力は測定しません。
評価者間の一致率は63-68%でした(Guarrera et al., International Journal of Trichology, 2009)。
自分は何型?AGA進行度セルフチェック
鏡で正面の生え際を確認し、スマートフォンで頭頂部を上から撮影してください。こめかみの後退、つむじ周辺の地肌、強い光で見える頭皮、家族歴を確認します。
こめかみだけが軽く後退していればII型、頭頂部にもO字型の薄毛があればII Vertex型またはIII Vertex型の可能性があります。両方が広がるとIV型以上が考えられます。セルフチェックは目安であり、診断や密度測定の代わりではありません。
25歳でAGAになることはありますか?
はい。AGAは10代後半から20代で始まることがあります。
細い髪は将来の薄毛を意味しますか?
必ずしもそうではありません。写真と密度測定で変化を追うのが確実です。
女性にもノーウッド分類を使える?
この分類は男性型脱毛症を対象としています。女性は頭頂部全体がびまん性に薄くなることが多く、一般にルードウィッグ分類が適しています。
女性の薄毛では原因の確認が重要です。治療を検討する方は女性向け自毛植毛の専門診察から始めてください。
進行度別のAGA治療
治療は進行度、年齢、進行速度、ドナー部によって変わります。薬は主に初期から中期の既存毛を守るために使い、自毛植毛は失われた生え際や頭頂部を再建します。
| 進行度 | 主な治療方針 |
|---|---|
| II型からIII型 | 医師の診察後、フィナステリドやミノキシジルで進行抑制を検討 |
| III型からIV型 | 既存毛を守る治療と自毛植毛の計画を組み合わせる |
| V型からVII型 | ドナー部が許す範囲で、自毛植毛による見た目の改善を優先 |
ミノキシジルで段階を戻せますか?
初期の細くなった毛を改善できる場合はありますが、毛包を失った部位は再建できません。
後退した生え際は薬で戻りますか?
完全に毛髪が失われた生え際は、薬ではなく植毛で再建します。
薬で再建できない範囲には、トルコでの自毛植毛が選択肢になります。
進行度別に必要な移植株数
III型では一般に1000-1800株、VI型では3800-4800株が目安です。同じ分類でも、毛径と希望密度で必要数は変わります。
| 進行度 | 移植株数の目安 | 主な移植範囲 |
|---|---|---|
| II型 | 0-800株 | こめかみ、生え際 |
| III型 | 1000-1800株 | 生え際とM字、場合により頭頂部 |
| IV型 | 2000-3000株 | 前頭部と頭頂部 |
| V型 | 3000-3800株 | 前頭部、中央部、頭頂部 |
| VI型 | 3800-4800株 | 前頭部から頭頂部の広い範囲 |
| VII型 | ドナー部による | 見た目への影響が大きい優先部位 |
正確な株数は、ドナー密度、移植面積、毛径を測定した後に決定します。
自毛植毛に適した進行度
II型からVI型は、年齢、進行の安定性、ドナー部によって自毛植毛の適応になり得ます。VII型は治療できる場合もありますが、移植範囲が限られます。
II型で植毛は早すぎますか?
早すぎる場合があります。経過観察や薬による治療を先に検討します。
植毛から10年後はどうなりますか?
移植毛は通常成長を続けますが、周囲の既存毛はAGAで薄くなる可能性があります。
植毛に適した段階は?
III型からV型は比較的予測しやすい段階です。薄毛のパターンが明確で、ドナー部の余力が残っていることが多いためです。
進行度別の自毛植毛費用
トルコでの自毛植毛は、進行度によりおよそ3500-8500ユーロが目安です。日本円の金額は為替によって変動します。1株ごとに料金を設定するクリニックでは、必要株数が増えるほど費用も高くなります。
III型
1000-1800株が目安です。2000株の自毛植毛と比較できます。
IV型
2000-3000株が多く、3000株の自毛植毛が目安になります。
V型
3000-3800株が多く、4000株の自毛植毛と比較できます。
VI型
3800-4800株が必要になる場合があり、5000株の自毛植毛が参考になります。
進行度が高いと植毛の痛みも増える?
進行度が高いからといって、痛みが自動的に強くなるわけではありません。広い範囲を治療する場合でも、体感を左右する主な要因は移植株数より麻酔方法です。
麻酔と術後の痛みについては自毛植毛は痛い?をご覧ください。
AGAはどのくらいの速さで進行する?
進行速度には大きな個人差があります。5年で1段階進む人もいれば、同じ段階に何十年もとどまる人もいます。
II型からIII型まで何年?
数年の場合も10年以上の場合もあり、共通の期間はありません。
50歳までに何%の男性がAGAになる?
約30-50%です。早期診断は既存毛を早く守ることにつながります。
Dr. Terzilerが選ばれる理由
セルヴェット・テルジレル医師は、ノーウッド分類に客観的な密度測定と自ら開発したRobotic DHIを組み合わせます。分類は出発点であり、実際の手術計画は測定結果で決まります。
Dr. Terziler Exclusive Clinicは認定を受けた医療環境で治療を行います。Picasso Robotic DHIでは、客観的な計画に自然な生え際のデザインを組み合わせます。
表の数字だけでなく、頭皮と毛髪を診ます。同じIV型でも密度とドナー部の違いにより、必要株数が1000株変わることがあります。分類は出発点を示し、測定が到達できる範囲を示します。
セルヴェット・テルジレル医師
ハミルトン・ノーウッド分類のよくある質問
II型は生え際、とくにこめかみの軽い後退を示します。見た目の変化が小さいこともありますが、日本で一般的な分類ではAGA初期として扱われる場合があります。早期ならフィナステリドやミノキシジルで進行を抑えられる可能性があり、長期間II型のままの方もいます。
III型は進行を安定させられる場合がありますが、完全に元へ戻すのは難しい段階です。早期のフィナステリドやミノキシジルは残っている毛髪の維持や細くなった毛の改善に役立つ可能性があります。すでに毛包が失われた生え際は、薬ではなく自毛植毛で再建します。
いいえ。IV型は自毛植毛でよく治療される段階です。生え際と頭頂部の薄毛は明確ですが、後頭部と側頭部のドナー毛が十分に残っていることが多いためです。薬で既存毛を守り、植毛で薄い部分を補う組み合わせも検討されます。
可能な場合はありますが、移植できる範囲はドナー部の毛量に制限されます。VII型では側頭部と後頭部に安定した毛髪が残るだけです。全体を高密度にするのではなく、生え際など見た目への影響が大きい部位を優先します。
3000株はIII型からIV型で検討されることが多い移植量です。費用は国、クリニック、術式によって異なります。トルコは日本、英国、米国、カナダより費用を抑えられる場合があります。Dr. Terzilerでは移植株数と希望を確認し、内容が明確なパッケージで計画します。
ミノキシジル単独で改善する場合もありますが、適応があればフィナステリドとの併用が検討されます。ミノキシジルは細くなった毛の成長を促し、フィナステリドはAGAに関わるDHTの作用を抑えます。禁忌や副作用があるため、薬は医師に相談して使用してください。
鏡で正面の生え際を確認し、スマートフォンで頭頂部を上から撮影すると目安をつけられます。こめかみだけの後退ならII型、頭頂部の薄毛もあればII Vertex型やIII Vertex型の可能性があります。分類には主観が入るため、治療計画には密度測定が必要です。
基本的には男性型脱毛症の分類です。女性は頭頂部全体がびまん性に薄くなり、生え際が保たれるパターンが多いため、一般にルードウィッグ分類が適しています。女性の薄毛は原因の確認を含む専用の診察が必要です。
AGAは10代後半から20代で始まることがあります。緊急性の高い病気ではありませんが、若年で始まった場合は原因を確認し、写真や密度測定で進行を記録し、残っている毛髪を早めに守ることが大切です。
進行パターンの共有には便利ですが、評価には主観が入ります。同じ頭皮写真を評価した医師の分類一致率は、研究で63-68%でした。分類だけでは毛髪密度、毛径、ドナー部の余力を測れないため、植毛計画には追加の測定が必要です。





